2020年度の女子美術大学 デザイン·工芸学科 ヴィジュアルデザイン専攻 卒業制作サイトのコンセプト設計、編集ディレクションなどを担当しました。

2020年度の卒業生たちは、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって講義やゼミがオンラインに移行し、学内でのコミュニケーションの機会が失われた状況の中で、卒業制作に取り組むことを余儀なくされました。
そこで本サイトでは、卒業制作のヴィジュアルやコンセプトの紹介にとどまらず、本来であれば同級生たちの間で語られたであろう多くの「言葉」を記録することをコンセプトに据えました。

本サイトには、学生たちの卒業制作のヴィジュアルとともに、学生同士による「問い」と「答え」のやり取りが記録されています。

「問い」は、「社会」「生活」「制作」というフォーカスの異なる3つのカテゴリに分かれており、これらはすべて学生たちによって立てられたものです。さらに学生たちは、各カテゴリから「問い」を任意に選び、それらに対して自らの言葉を綴りました。

学生たち自らが問いを立て、選び、答えるという一連のプロセスに参加してもらうことで、この1年間に実現することが難しかった同級生同士の擬似的な「対話」の機会を生み出し、一人ひとりのリアルで親密な「言葉」を集めることを試みました。

本サイトにおけるコミュニケーションを設計するにあたって、一部の卒業生たちが参加するオンラインワークショップも開催しました。
ワークショップでは、事前に用意してもらった学生たちそれぞれの「問い」の背景にある思いなどについて話してもらった後、各自の問いを特定の相手に投げかけるショートインタビューなどを実施しました。